前回のコラム「”企業における環境活動”と”sustainability” その6」 から暫く期間が空いてしまいましたので、以前に書いた内容を少しだけ振り返ってみたいと思います。
◇ ◇ ◇
前々回のコラム で私は、
と述べました。
そして 前回のコラム では
と結論づけております。
すなわち、
この1.5%という不適正処理リスク係数を用いて排出物コストを算定し、意志決定を行う必要がある
ということです。
コストを算出し意志決定に至るまでの過程について、前回より一部条件を加え実例にてご説明いたします。
◇ ◇ ◇
前々回同様に、あなたの会社「A株式会社」の年間の総廃棄物処理委託量は、300,000kgです。A株式会社は、
- 業者と廃棄物の処理委託契約を締結する際に適用する
厳しい社内基準を有しており、 - 業者をAランクからEランクの5種類に分類しています。
具体的には、
- Aランク →
社内基準をほぼ完全で満たす業者で、
不適正処理を行う可能性(不適正処理リスク)は0.1%以下 と見なす事が可能。 - Bランク →
社内基準を十分に満たし特段の問題も認められないが、一部項目に確認が取れない不明点がある業者。不適正処理リスクは0.3% と設定。
- Cランク →
社内基準を十分に満たし特段の問題も認められないが、一部重要項目に確認が取れない不明点がある業者。不適正処理リスクは0.5% と設定。
- Dランク →
社内基準を満たしてはいるが、ABCランクのいずれにも該当しない業者。不適正処理リスクは標準値1.5% と設定。
- Eランク →
社内基準を満たしていない業者
◇ ◇ ◇
契約業者が不適正処理を行った場合には、A株式会社は 300円/kg の直接的なコスト(撤去費用など) を負担しなくてはなりません。
また、A株式会社では契約業者が不適正処理を行った場合には、
20%の確率 でマスコミ等を通じて自社の名前が報道され 、
この場合の間接的な損害額は年間の宣伝広告費の10% と考えています。
A株式会社の年間の広告宣伝費は10億円です。
A株式会社は現在、廃棄物の処理委託先としてYリサイクルと契約しています。
Yリサイクルの社内評価はAランク、 Yリサイクルへの処理委託コストは30円/kg。
ある日、産業廃棄物処理事業者:Xリサイクルが営業にやって来ました。
Xリサイクルへの処理委託コストは28円/kg、 監査を行った結果Dランクの業者である事が判明しました。

さて、貴方ならYリサイクルとの契約を続けますか?
それともXリサイクルに契約を切り替えますか?
(次回へ続く)
齋藤崇人のコラムは毎週金曜日に掲載します。
次回は 2月6日(金)
◇ バックナンバー ◇
- 12月19日 「”企業における環境活動”と”sustainability” その6」
- 12月12日 「”企業における環境活動”と”sustainability” その5」
- 12月 5日 「有価プラスチックの現状 」
- 11月14日 「”企業における環境活動”と”sustainability” その4」
- 11月 7日 「”企業における環境活動”と”sustainability” その3」
- 10月31日 「”企業における環境活動”と”sustainability” その2」
- 10月24日 「《要注意情報》 有価物相場の急変と取扱業者の現状」
- 10月17日 「”企業における環境活動”と”sustainability” その1」














