前回のコラム「”企業における環境活動”と”sustainability” その6」 から暫く期間が空いてしまいましたので、以前に書いた内容を少しだけ振り返ってみたいと思います。

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前々回のコラム で私は、

中長期的な経営の安定性の見地から、企業は自身の廃棄物コストをその都度発生する排出物処理費用の単純合計として捉えるべきではなく、廃棄物処理費用に加えて契約業者(廃棄物だけではなく有価物の契約業者も含む)が不適正処理を起こした場合に発生する期待コストも加算して把握すべきである。

と述べました。
そして 前回のコラム では

実際の不適正処理リスク率を算出し、通常の不適正処理リスク係数を1.5%程度

と結論づけております。
すなわち、

実際に企業が排出物業者に処理委託(有価物の場合は売却)する場合には、
この1.5%という不適正処理リスク係数を用いて排出物コストを算定し、意志決定を行う必要がある

ということです。
コストを算出し意志決定に至るまでの過程について、前回より一部条件を加え実例にてご説明いたします。

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前々回同様に、あなたの会社「A株式会社」の年間の総廃棄物処理委託量は、300,000kgです。A株式会社は、

  • 業者と廃棄物の処理委託契約を締結する際に適用する
    厳しい社内基準を有しており、
  • 業者をAランクからEランクの5種類に分類しています。

具体的には、

  • Aランク
    社内基準をほぼ完全で満たす業者で、
    不適正処理を行う可能性(不適正処理リスク)は0.1%以下 と見なす事が可能。
  • Bランク →
    社内基準を十分に満たし特段の問題も認められないが、一部項目に確認が取れない不明点がある業者。不適正処理リスクは0.3% と設定。
  • Cランク →
    社内基準を十分に満たし特段の問題も認められないが、一部重要項目に確認が取れない不明点がある業者。不適正処理リスクは0.5% と設定。
  • Dランク
    社内基準を満たしてはいるが、ABCランクのいずれにも該当しない業者。不適正処理リスクは標準値1.5% と設定。
  • Eランク →
    社内基準を満たしていない業者

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契約業者が不適正処理を行った場合には、A株式会社は 300円/kg の直接的なコスト(撤去費用など) を負担しなくてはなりません。

また、A株式会社では契約業者が不適正処理を行った場合には、
20%の確率 でマスコミ等を通じて自社の名前が報道され 、
この場合の間接的な損害額は年間の宣伝広告費の10% と考えています。
A株式会社の年間の広告宣伝費は10億円です。

A株式会社は現在、廃棄物の処理委託先としてYリサイクルと契約しています。
Yリサイクルの社内評価はAランク Yリサイクルへの処理委託コストは30円/kg

ある日、産業廃棄物処理事業者:Xリサイクルが営業にやって来ました。
Xリサイクルへの処理委託コストは28円/kg 監査を行った結果Dランクの業者である事が判明しました。

処理費とランク

さて、貴方ならYリサイクルとの契約を続けますか?
それともXリサイクルに契約を切り替えますか?

(次回へ続く)


齋藤崇人のコラムは毎週金曜日に掲載します。
次回は 2月6日(金)

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