前回のコラム「”企業における環境活動”と”sustainability” その9」の続きです。

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前回までに私は、排出物関連費用としては
短期的な収運・処理コストのみを把握するのではなく、
“排出”という行為自体が抱えるリスクをも加味してコストの算定を行うべき
である旨を述べてきました。

そしてこの考え方をより深くご理解頂けるように、

排出物コスト

=  ①直接的に発生する廃棄物処理費用

+  ②不適正処理が発生した場合に
        排出事業者が直接的に負担する期待コスト

+  ③不適正処理が発生した場合に
        排出事業者が間接的に負担する期待コスト

というモデルを挙げ、具体例に基づき説明を行ってきました。

このモデルをベースに、
企業で環境関連業務に携わっておられる方々が実際に
企業経営にとって必要不可欠な情報である排出物コストを算出する方法
について、今回から記していきたいと思います。

まずこの試行の中で真っ先にぶつかる問題、
それは

上記排出物コストの構成要素①②③とは何なのか?

そして

①②③の更なる構成要素は何か?

だと思います。

 

①直接的に発生する廃棄物処理費用

①については余り細かい説明は不要であるように考えます。
実際に日々直接的に発生している、

  • 廃棄物処理委託費用
  • 廃棄物収集運搬委託費用
  • 構内作業費用

などから

  • 有価物の業者への売却費用

を差し引けば算出できると思います。

②不適正処理が発生した場合に
    排出事業者が直接的に負担する期待コスト

②については、前回までのコラムで実例として

  • 不法投棄された廃棄物の撤去処理費用

を挙げました。これ以外にも、

  • 不適正処理や業者倒産などの理由により、排出者責任に基づいて片付けを余儀なくされる廃棄物の撤去処理費用
  • 有価物として売却したにも関わらず、廃棄物として国内外で不法投棄若しくは野積みされるなどしたために排出者責任に基づいて片付けを余儀なくされる廃棄物の撤去処理費用

などが考えられます。

③不適正処理が発生した場合に
    排出事業者が間接的に負担する期待コスト

③としては前述の

  • 会社のブランド価値を高めるために費やしてきた宣伝広告費用

のみならず、

  • これから会社のブランド価値を回復させるためにかかる宣伝広告費用
  • 排出物が市場に流出してしまい、これを回収するためにかかった費用

また

  • 市場流出により自社製の売れ行きが落ち込んだ機会費用
  • 排出物の中に含まれていた機密事項が漏洩してしまい、
    これを回復する為に費やす費用

などがありましょう。

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ここまでお読みいただいて鋭い方はお気づきになったかも知れません。
そう、実は廃棄物だけではなく、
    価値あるものとして他社へ売却したはずの有価物も
    排出物コストの構成要素として大きな割合を占めているのです。

いや、廃棄物よりも有価物の方が内在するリスクは高いと言っても
過言ではないのですよ。この件はまた改めて後述します。

さて、ここまでで①②③の構成要素を把握しました。

次のステップは測定と評価です。
これらの構成要素を目的に合わせて的確に測定し評価することが、
排出物コスト算定には必要不可欠になると言うことです。

それはまた次回に。


齋藤崇人のコラム
次回は 5月8日(金)に掲載します。

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