さて昨年秋から続けてきたこのテーマ、今回を区切りに一旦終わろうと思います。
私の頭の中にあることを取り留めもなくもなく綴ってきた感も否めないこのテーマでしたが、私が一番言いたかったことは一つ

「みなさん、何のために
各企業で環境関連のお仕事をしているのですか?」

って事なんです。

分厚い環境報告書を作ること自体が、
環境担当部署の目的と化してはいませんか?

単なる広告宣伝の一環として環境活動をしてはいませんか?

と言い換えても良いでしょう。

自分が勤める会社にこの雰囲気を感じている方がおられたら、お気をつけください。
企業業績が悪化してきたときには、その会社の環境部署は真っ先にリストラの候補に挙がる可能性が高いと思われます。
何故ならば、その会社にとって環境部署の業務は直接利益に結びつくものでもなければ、企業の存続に関わる重要な仕事でも無いからです。
効果の測定が困難で且つ企業存続の視点から重要性を認識できない業務、
それにも関わらずコストだけは発生する部署。
企業経営者からどのように見られているかは言うまでもありませんよね。

目先の処理コスト削減を追い求めてはいませんか?

排出物を適正に処理するためには、
適正なコストの負担が不可避であることは言うまでもありません。
この適正コストを考慮外において安い業者を探し続けるとどうなるか?
当然のことながらその業者に処理を委託した排出物は、
一部若しくは全部が不適正処理ルートやトレースできない不明朗な輸出にまわってしまいます。
例えその業者の一般的な評判や見かけが素晴らしかったとしてもです。
そうなるとどうなるか? 
ババ抜きゲームの始まりです。

現時点での環境責任者が在職中に問題が表面化するか、
それ以降の責任者の時代になるのか。。。

中長期的な企業経営の視点から見れば、顕在化の時期が遅くなれば遅くなるほど原状回復にかかるコストが莫大になり、企業の存続をも揺るがしかねない大変な事態が発生する可能性が高くなります。
上手く(?)いけば、表面化させずに歴史の闇に葬り去ることが出来るかもしれませんけどね。

◇ ◇ ◇

上記の現象に少なからず反発を覚える方は、是非ともよくお考えください。
企業経営に貢献できる環境活動とは如何なるものであるかと。
先に述べたとおり私的には大きくは、

  • 短期的な経営判断に資する間接コスト情報の提供
  • 中長期的な企業の存続に影響を与えるリスク情報の事前提供

の2点ではないかと考えています。これらを具現化する方法は、
各企業が置かれている環境や業態を加味して具体的に策定しなければなりません。
皆さんはどのようにお考えでしょうか?
ご意見頂ければ幸いです。

最後にもう一点。
このテーマ執筆の途中でプラスチックや金属類など有価物の動向について記していますけれども、これらの情報を軽視しないでください。
前述の通り近年では有価物系排出物に関わる摘発・指導が急増しておりますし、更に大きな問題はこの傾向は今後も悪化の一途を辿ることが容易に予測される点にあります。どういう事かといいますと、実は

プラスチック、金属類共にこの2ヶ月弱の間、
世界各国から中国向け輸出がほぼ止まっているのです。

理由は中国サイドでの輸入関税のアップ、
一説によると10%程度上がったとも言われています。
現時点では香港などに大量の未通関品が多数積み置かれている様子ですが、この状況が長期化すると、日本国内で営業している有価物取扱業者の過半数に大きな影響が出ることでしょう。ゴミ紛いの品物を中国へ送り込んでいる業者も依然として多数存在しますので、コンテナの内容物にまで当局のチェックが及んだ場合には、更に大きな問題に発展する可能性もあります。

最近の中国への輸出ルートは、以前とは比べものにならないほど不安定であり、
且つリスクが高くなっています。
最近では、環境先進国と言われている欧州某国のリサイクル業者からも日本の有価物取扱業者に対して

「中国への輸出が難しくなってきたので、代わりに日本で買ってくれないか?」

という問い合わせが届き始めている位ですから。
更には中国のプリント基板買取業者から日本の業者に

「日本から輸入した基板を買ってくれないか?」

という話も頻繁に届いているようですよ。
況や中国国内でのリサイクルルートをや。。。

十分にご注意ください。


齋藤崇人のコラム
次回は 9月4日(金)に掲載します。

◇ バックナンバー ◇