あと数日で今年も4分の3を終えてしまおうとしている昨今、
皆様は如何お過ごしでしょうか。
さて、私の周囲ではご多分に漏れずあまり景気の良い話は聞かないのですが、
ここの所で一部変化の兆しが出てきました。

それは特に主に国内外向けに高付加価値品を作っている製造メーカーさん。
人員に対して100%の稼働率で操業している会社が結構増えてきました。
今年一杯は同程度、若しくは更に上の操業度を見込んでいるようです。

とはいえ、このような会社さんでも設備に対する稼働率は80%程度
昨年末から今年前半にかけての人材整理のお陰もあって、
人材に対する操業度が100%担っているだけであって、
実際には「好調」というところまでは至っていないようです。

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世界に目を向けるとどうでしょう。まずは米国

新規住宅着工件数は依然として100万件/月以下で推移する低水準にあるものの、
年初と比べるとその件数は増加しつつあり、回復基調にあります。
次にISM製造業景況指数を見ると、昨年7月以来50%を下回り
景気後退を示していた指数も、今年8月には14ヶ月ぶりに52.9%という値を記録し、
米製造業が景気拡大基調にあることを示しました。

とはいえ依然として安心できる状況下にはありません。
まず、米国経済が抱える根本的な問題、
巨額の貿易赤字を対米証券投資でファイナンスしなければ国内経済が立ちゆかない
という問題が全くクリアされていませんし、
更にはこの問題に対する短期的な解決策すら明示されてない。

オバマ米国大統領は今まで共和党政権下で行ってきたこの政策モデルが、
昨今破綻しかけていることを十分に認識しているからこそ、
中長期的な国家戦略として米国製造業を復活させようとしているわけです。

そのための政策のひとつこそが、「グリーン・ニューディール政策」です。
この政策を通じ米国内の環境産業を育成して人材の雇用を生み出し、
更には世界中から金を稼げる産業に育て上げようというわけです。

温室効果ガスの排出削減にしても、エネルギー安全保障にしても、
米国の環境政策は基本的に全て、米国の成長戦略と密接にリンクしていることに
疑いはありません。

米国にとってのサステナビリティ(持続可能性)とは、
経済のサステナビリティ(経済成長)を前提としてしか存在し得ない概念である

と言っても過言ではないでしょう。

早ければ3~5年後、こうして育成された米国の環境企業に日本国内の環境産業も脅かされることになると推測されます。何せ国家が新産業に対して投資する金額が米国と日本とでは桁違いですから、ここ数年で米国環境企業と日本環境企業の立場が逆転してしまう可能性も十分にあるように思いますし、その危機感を持って対応策を練る必要は尚更あると考えます。

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さて、中長期的な米国の国家戦略は上述の通りの国内産業の育成だとして、
短期的な政策はどのようになっているか?

共和党政権以来、米国はこの貿易赤字をファイナンスするための策として
ドル安政策を黙認してきました。
ドル安を誘導することによって他国の対米投資を行い易くしていたのです。
しかし、彼らは決してドル安を肯定する発言はしませんでした。

彼らがドル安を肯定したならば、それは世界的なドルの信用不安に直結する
ことをよく知っていたからです。

どういうことかを説明しましょう。

米国は1990年代後半以降、マネーサプライを急激に増加させてきました。
1998年のマネーサプライ(M3)が5兆ドルであったのに対し、
2005年は10兆ドルへと倍増させていたのです。
2006年3月以降、米連邦準備理事会(FRB)はM3の発表を止めてしまいましたので、
この後にどの程度のマネーがマーケットに供給されたのかは定かではありません。

この措置には、2001年以降に急増しているマネーサプライの量を隠したいという
意図があると云われてもいますし、
それが表沙汰にされると、ドルの価値が急落することを恐れているものだとも。

何れにせよここで重要なことは、
この10年間でドルの供給量が2倍以上になっているという事実です。
即ちドルの価値は絶対値として半分になっており、
円が持つ力が10年前と同等であると仮定するならば、
ドル円の為替レートは当時の半分になっても理論的にはおかしくないということです。

1990年代のドル円の高値は98年8月に付けた147.63円、
安値は95年4月につけた79.80円です。
この価格の半分と云うことは39.90~73.81円
ドルの価値を絶対値として測定するとここまでドルは安くなり、
ドル円レートは円高に進んでしまうのです。

想像してみてください。

現在のドル円為替レートが上記の値39.90~73.81円になってしまったらどうなるか?
世界中の多くの人々がドルの今後に不安を持ちますよね。

このような背景の元で、アメリカの財務長官とFRBはドルの信用不安を避けるべく、
「ドル高は米国の利益である」との発言を繰り返してきたわけです。

ところが昨年、世界規模での経済危機が発生しました。
この危機に対処すべく、FRBは景気拡大策の一環として金融の量的緩和を行っているのですが、これが今後ドルの絶対的な価値を必然的に更に下げることになります。
実際、米国のマネーサプライ(M2)は今年に入ってから毎月、
前年比で8%以上の伸びを示しています。
この効果がどのようなタイムスパンで、如何なる影響をもたらすかを現時点で測定することは困難ですが、確実にドル安圧力として為替マーケットに影響を与えます。

この状況に対してオバマ政権が現時点で打っている策は、
実質的には共和党政権同様な対米投資の呼び込みに終始しています。
具体例としては、GMやクライスラーの売却という対米投資促進策が挙げられるでしょう。
日本や中国に対する米国債購入圧力も以前同様にかけられています。
昨年下期以降減少した対米投資を以前の水準に回復させるべく、
諸政策を打っている様子です。

別の角度から見ますと現段階で米国政府は、
国内景気の回復を促すための代償として、ドルの絶対的な価値の更なる低下をも、
一定のスピードまでは黙認する方向にあると判断されます。

まあ今回のG20では、オバマ政権発足以降でドル指標が11%も下落しているため、
各国首脳の発言はドル防衛に終始した様子ではありますが。。。

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さて話は戻って、日本の環境業界
・・・

この続き「国際金融経済情勢と日本国内環境産業の行方(後編)」
10月2日(金)に掲載します。