この原稿は、
「コラム:国際金融経済情勢と日本国内環境産業の行方(前編)」
(10月1日公開)からの続きです。
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さて話は戻って日本の環境業界。
あくまでも一般論としてですが、短期的には円高の更なる進展が見込まれる以上、
国内製造業に依存したビジネスモデルは終焉を迎えつつある様子です。
実際、中間処理業者やスクラップ業者の経営不振や会社売却といった話を
毎日のように耳にします。 感覚的な話ではありますが、
食品系を除いた国内製造業から排出されている産業廃棄物の量が、
昨年同時期に比べて40~50%程度減少しているようにも感じます。
2、3年後の更なる排出量減少を念頭に置いた活動が必要不可避でしょうね、
リスク回避という意味でも。
若しくは円高の利益を享受できるようなビジネスモデルに転換するという方法もありましょうか。
余談ですが、今までスクラップ類を世界中から受け入れてきた中国も、
色々な理由でルートの存続が厳しくなりつつあります。
かつて繊維業界が辿ってきたのと同じ道、
ベトナム等の更に人件費が安い国へ産業自体が移っていくのでしょうか。
輸出業者の管理と併せ、今後の動向が注視されます。
◇
排出事業者としては ここ数年の間は、
契約先の経営状態のチェックは必要不可欠です。
排出者責任と、万が一に事態が発生した際に生じる原状回復コスト等を見くびると
痛い目に遭いますよ。 そのためにすべきことは、
自社排出物の処理ルートの完全なる把握とトレーサビリティーの確保。
以前から申し上げております通り、産業廃棄物については
リスクを一定レベルまでマネージメントできている排出事業者が増えていますが、
有価物についてはほぼ皆無と言っても過言ではありません。
法の網が細かくかかっている廃棄物よりも、
規制が殆ど無い有価物に潜むリスクの方が圧倒的に高いですからね。
ご注意ください。
◇
特に注意すべき点を実例で挙げますと、
実際に海外で処理をしている業者が圧倒的に多いのが現実です。
中国がスクラップ輸入に対するハードルを上げているここ数ヶ月、
ベトナム辺りでいい加減に取り扱われている有価物の話をよく耳にします。
何せ中国の輸入制限に端を発して、
世界中でE-scrap類が供給過剰に陥りはじめている様子がありますので、
尚更リスクは増大しつつあります。
実際にはインドへ輸出されてリユースされてはいませんか?
最近はこのルートが急速に伸びてきています。
特にリース品など、会社名が書かれたラベル等が貼られているものや
機密情報に関わるものには特にご注意を。
業者さんの計量や品位の測定を鵜呑みにしない方が宜しいですよ。
業者の皆さんの経営状態は更に厳しくなりつつありますから、
排出事業者としては保身のために、十分なチェックが必要になっています。
◇
以上、米国を例に挙げて話を進めてきましたが、
今回触れなかった欧州は、米国以上に経済の回復が遅れています。
欧州の場合、昔の日本同様に金融機関が大きなダメージを受けているために、
その回復には日米以上に時間がかかることでしょう。
次に中国ですが、通常日本人が抱くイメージとは異なり、
非常に強く輸出に依存した経済システムになっています。
国内消費がGPDに対して占める割合は35%程度に過ぎません。
それ故に、中国経済の回復は基本的に欧米の景気回復に遅れて到来します。
このタイムラグを埋めるべく中国政府は大規模な公共投資を行ったわけですが、
この効果は一時的なものといわざるを得ません。
また公共投資と同時に取った金融緩和策の効果により、確かに株式・不動産市場は好調になっているものの、これは急増した銀行融資額のかなりの部分がこの分野の国有企業にまわった可能性が極めて高く、バブルが発生しているとの見方が強まっています。
しかも輸出と個人消費、所得は殆ど伸びておらず、更には中小企業は倒産が増えて雇用も悪化したままでだといわれています。
世界経済を牽引しつつある中国でハードランディングが起きたらどうなるか?
世界経済の2番底の到来にも、依然として注意を払う必要があると言えるでしょう。
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追記 ;
上記の文章を書いたのが9月25日(金)午後だったのですが、
この日の夕方以降に円が急騰。
ドル円レートは一時88.22まで下落してしまいました。
年末にかけて金融/経済の動向からは目が離せそうにありません。
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●バックナンバー
「コラム:国際金融経済情勢と日本国内環境産業の行方(前編)」(10月1日掲載)
齋藤崇人のコラム
次回は11月13日(金)に掲載します。














