「”企業における環境活動”と”sustainability”」と言うテーマでコラムを掲載している途中ではありますが、タイムリーかつ重要な話題としてどうしてもお知らせしておきたい内容がありますので、今回は話題を取り上げます。

時事通信社のニュースサイト時事ドットコムに10月23日木曜日付で
「NY金、1年1カ月ぶり安値」という記事が掲載されています。

これはニューヨーク金相場の話ではありますが、当然日本における相場も例外ではありません。今年7月15日には3,505円にまで値を伸ばした後に、世界の景気悪化が叫ばれ商品需給が大幅に緩和されるに従い急激に値を下げ、ついには日本でも10月23日現在で2,423円/gにまで約30%価格が下落しています。

実は金の下落は、他の貴金属に比べるとかなりましな方です。主な金属の価格を今年の最高値と10月第4週とで比べてみると、

プラチナ 7,753円 /g (05/22) 2,806円 /g (10/23) 約64%下落
72,000円 /kg (07/15) 33,000円 /kg (10/23) 約54%下落
1,000円 /kg (07/07) 490円 /kg (10/23) 約51%下落
71,500円 /t (07/15) 19,000円 /t (10/21) 約73%下落

という酷い状態にあります。                →当サイトのマーケット情報へ

さてこの何処が「要注意情報」なのかといいますと、ここ3ヶ月間で金属系有価物取扱業者の殆どが大きな損失を出したか、若しくは含み損を抱えてしまったということです。
即ちまずは1点目、有価物取扱業者の経営状態を早急にチェックする必要が生じています。特に過大な設備投資等を行ってきた業者に対しては、市況に回復の兆しが見えるまでの今後数年に渡り、倒産可能性の評価も含めた十分な監視が必要となります。

更にはこの状況下で、通常の(信頼に足る仕事をしている)有価物取引業者であれば排出事業者に対して、

  • 有価物買取価格改定をお願いする
  • 価値の低い有価物(目安としては買取価格10円/kg以下のもの)については、従来は買取可能であった物でも現在の相場では逆有償とせざるを得ない旨を申し出る

などの条件の改定を願い出てくるはずです。これらの申請をしてこない業者と付き合われている排出事業者の方、業者に暴利をむさぼられてはいませんか?若しくは個々の排出物が抱き合わせ有価として、全体として有価物として評価されてはいませんか?市場価格があまり下落しておらずかつ高価な「金」を多く含む有価物に旨みを感じて、その他の評価しがたい物品も共に有価物として引き取る業者・・・、よくある話です。抱き合わせ有価物は廃棄物処理法上では廃棄物と見なされかねない危険な品物です。これを機に全体として有価物として扱われているものが、個別物品としても確実に有価物として扱われているのかを十分に確認ください。

なお有価物が最終的に中国へ輸出されている場合は、現状特にご注意ください。中国のスクラップ業者及びバイヤーの倒産件数が急増しているという情報も当社に入っています。この主要因は、中国国内における急速な景気後退と、対香港ドルでの円レートの上昇というダブルパンチにあります。いずれにせよ、中国へ輸出された有価物もどきが業者倒産により中国国内に放置されるという、身も凍るような事態が発生しつつあるという実情だけはご承知おきください。

ここまで金属中心に話を進めて参りましたが、プラスチックを有価物として排出されている事業所の方も安心することなく、業者のチェックを行ってください。残念ながらプラスチック買取業者も全く同じ状況にありますので。

有価物は、廃棄物とは異なり各種法律による規制が殆どありません。しかし物の本質は廃棄物と何ら変わりないケースが殆どです。各有価物が本質的に抱える問題発生リスクは廃棄物と同程度であるにも関わらず、有価物の取り扱いには法規制が殆ど無く、かつ取扱業者の質もバラバラです。即ち、有価物排出に起因する諸問題の発生リスクを廃棄物と同程度までに押さえ込むためには、排出事業者は有価物及びその取扱業者に対して廃棄物以上の監視を行うことが必要だということになります。

今起こりつつある経済状況の急変を機に、有価物取引に対する監視体制を構築、強化されることを強くお勧めいたします。


齋藤崇人のコラムは毎週金曜日に掲載します。
次回は10月31日(金)